仕事幸福真理―成功と幸福の秘密を知ったアイドル

真理―成功と幸福の秘密を知ったアイドル 後編 第2話

 

 (イラスト)

真理は夜空に浮かぶ満月を指差して言った。

 「夢に向かうというのは、一点の曇りもない光に向かって進むことなの。もし、あの場所に到達できれば光で満たされる完璧な状態になれる。そう考えて人は光に向かって進む」

 真理がサトリに合図すると、サトリは「ほーい」と言って、満月に向かって羽ばたき始めた。

 光がどんどん近づいてくると、まぶしさのあまり手で目を覆った。

 満月の近くまで来ると、真理が言った。

 「月はどうして輝くか知ってる?」

 真理の質問に答える。

「太陽の光を反射しているからでしょ」

 「そう」

 サトリは月の横側を飛び始めた。

 「光を受けている面は、光り輝いているけれど、その裏側は闇に染まっている」

 サトリが進んでいくと、月は徐々に影の部分を増やしていった。それはまさに月の満ち欠けを見ているようだった。

 

 (イラスト)

 

 月の周囲を一周すると、真理は月に向かって手を伸ばした。

 すると月は小さくなり、野球のボールくらいの大きさになった。

 「世界は、この球体のようにできてるのよ」

 真理は球体の光の部分だけをこちらに向けた。私はライトで顔を照らされたような状態になった。

 真理は言った。

 「何かを得ようとするとき、それを得ることは素晴らしいように思われる。でも、こうして手に入れたとき」

 真理は球体を私に向かって投げながら言った。

 「その半分は、闇に染められているの」

 私は受け取った球体を見た。

 半分は光り輝いているが、その裏側の半分は闇に染まっている。

 「でも、人間は、未来を満月のように光り輝くものだととらえてしまう。『科学技術が発展すれば、世界を素晴らしい、完璧な状態にしてくれるはずだ』。しかし、どれだけ光に向かっても、その行為が必ず闇を連れてくる」

 そして真理はタブレットから映像を映し出した。

 「人類における最高の発明と言われた『相対性理論』が『核兵器』を生み出したように」

 立体映像のアインシュタインは、黙々と研究を続けていた。

 私は、改めて手元の球体を眺めた。

 半分が光り輝き、半分が深い闇に染められている球体は、確かにこの世界を凝縮しているような気がした。

 「あなたは――」

 私は顔を上げ、真理に向かって言った。

 「夢をかなえたあなたは、同時に、闇を知ることになったのね」

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REVIEWS

評価

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良いと思うところ

誰もが一度は鳥のように羽ばたきたい願いにかけて、「サトリ」がうまく光と闇、希望と絶望の教えを導いてくれたなぁ、さすが「悟り」だ(笑)と思いました。
偉人での例えがわかりやすくて、発展の真実を教えられた気分です。
でもそのお陰で物理的な暮らしやすさの面で成熟した社会になれたと思います。

良くないと思うところ

(よくないということではなくて)夢を追いかける、初心を貫く上で、マイナスの影、闇となる要因も同時に考えるべきなのかなあ、夢にブレーキをかけることにならないかと考えさせられました。それをも乗り越える、ひっくるめて運命とするのかなと。その闇の面をうまくコントロールするこれからの教えが山Pを癒してくれるのかなぁと思っています^ ^
また、こうなりたいと思うことで、頑張れるし、影があるからこそ、光が見えると思いたい。

Shiho☆
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水野敬也ぐち
コメントの評価

 著者からの返事

感想ありがとうございます。そうですね、夢とのバランスを大事にしながら最後まで書き上げたいです。引き続きよろしくお願いします!

2018年6月3日 18時17分 水野敬也
水野敬也
評価

12334

良いと思うところ

夢の光と闇がはっきり書かれていて
確かにと思うことがたくさんありました。
私の身近にもそういう人がいました。
看護師やパティシエを夢見て叶えたけど
実際の仕事にしたら辛すぎて
辞めてしまったとか…。
私たちから見えてる夢を叶えた人の
輝きの裏には必ず闇があるんですね。
どんな人でも必ず悩みがあるのと
同じですね。

良くないと思うところ

ちょっと疑問に思ったのですが、
例えばスポーツ選手なら
金メダルをとるとか野球だったら
メジャーに行くとかそういう夢を見ながら
日々練習していると思うのですが
それも叶えてしまったら今度はプレッシャーと戦う日々だったりして
闇の部分が出てくるという感じですよね?
確かにその闇の部分は私たちの想像以上に
苦しいとは思いますが、それ以上に
もっとうまくなりたいとか、
結果を出したい気持ちが強くあるからこそ
闇を越えれるくらい輝けるんだと思います
そういう人たちはやはり
とても幸せそうに見えますが
これはただ一部の才能があるだけの
人なのでしょうか?
それとも、これから
書かれる幸せになる方法も
同時に叶えてる人たちなのでしょうか?

水野先生が前半最後で夢を叶えることに
迷いがない人は後半の物語は必要ないかもしれないとおっしゃっていたので
私が思う夢を叶えた人はそういう
人なのでしょうかね…。

ちょっと色々と極端なことを
書いてしまったかもですが、
私は幸せになる方法すごくすごく
気になります。
次回も楽しみにしています!

ぐち
1人がこのコメントに「いいね!」しました
水野敬也
コメントの評価

 著者からの返事

スポーツ選手の例、確かにそうですね。ここはなかなか表現が難しいところですが、納得いく感じで仕上げていきたいです。引き続きよろしくお願いします。

2018年6月3日 18時18分 水野敬也
水野敬也
評価

12234

良いと思うところ

先生自身の、夢をかなえてからの苦悩が反映されているのかな?だとしたら、それを知るのも重要なこと!

良くないと思うところ

「嘘でも輝かしい未来が待っている」としないとみんながんばれないし…

「夢をかなえた自分がどんなに幸せな人間か」ということを感じて、
「人のために生きる」とかでしょうか?!!

かおり
1人がこのコメントに「いいね!」しました
水野敬也
コメントの評価

 著者からの返事

感想ありがとうございます。そうですね、ラスト、どういう読後感になるか教えていただければと思います。

2018年6月3日 18時19分 水野敬也
水野敬也
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