心理学グチからはじめる認知行動療法

グチからはじめる認知行動療法 第7話

 いつもより早く目が覚めて出勤の支度もあっという間にすんでしまった。時計に目をやると、家を出るまで時間に余裕があった。ソファに腰かけたまま、テレビを観ているとスマートフォンが鳴ったので手に取った。画面には友人の名前が表示されている。

 この間、六歳の子どもへ誕生日プレゼントを贈ったことに対するお礼のメッセージだった。何がいいか悩んだ末に「いばら姫」という童話の絵本を贈ったのだ。お姫様が魔女の呪いによって、糸車の針に指を刺して百年の眠りにつくという物語だ。とても好きな童話で子どものころ何度も読んだ。

 友人に返信のメッセージを打っていると、出掛ける時間になってしまった。急がなければ……。画面の「送信」に触れて、慌ててテレビを消すとそそくさと家を出た。


「僕が好きだったのはブレーメンの音楽隊です。動物たちが積極的に行動している姿がいいですよね」

 数日後、私はカタツムリ日記に取り組んだ結果を報告するために守口さんの家にいた。子どものころ好きだった童話を尋ねると、守口さんらしい答えが返ってきた。いい方向に向かうために、動物たちが考えたり行動したりするところは認知行動療法と似ているかもしれない。

「若月さんはどのような物語を読まれていたのですか?」

 私の向かいに座っている守口さんはカタツムリ日記をぱらりぱらりとめくりながら質問した。

「そうですね……。美女と野獣や赤い靴とか」

 様々な童話を思い浮かべながら答えると、守口さんがクスリと笑った。

「呪いにかけられる話ばかりですね」

「そういえばそうですね」


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REVIEWS

評価

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良いと思うところ

おお~、新機軸ですね!面白くなってる…と思います。

店長の不機嫌にも理由があったと…それが次回語られる…最後の切り方も、興味をもたせて上手いですね!

今まで「敵役」だった店長が味方に回り、本社の人間が新たな敵役として登場しました…

「ホームコメディ」ぽい話の方が、私は読み易いですから店長もファミリーの一員のような感じの方がいいですね…(今まではバイトの子たちとみのりちゃんと守口さんと…あまり「ファミリー」とは言えなかった…)

良くないと思うところ

ちょっとだけ長くて、気だるい…(必ず書かなければいけない感じなので、無理やり書いているだけですが…)

かおり
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評価

12344

良いと思うところ

面白かったです^ ^
余韻みたいなものが残る、店長の本心、本性が気になる終わり方…(^^)

どんな人でも表と裏は必ずあるけれど、(仕事の、自分の)体裁や立場を考えるだけでなくて、素直に行動したい、変われるものならたいのかわりたいと思うはずだから、、、(店長の)このタイミング、良かったです。

佳歩ちゃんが考えてる時とかの間は、いつもらしくて、いじらしいくて愛おしい(o^^o)

佳歩ちゃんと取り巻く人も皆、認知療法が支えとなり自分に葛藤しながら成長していく、この先が楽しみです。

良くないと思うところ

男女ともに同じくらい共感するような話になればさらにいいかなぁと思ってます。(女性目線側のウエイトが高い感じに思えるので)

Shiho☆
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