心理学グチからはじめる認知行動療法

グチからはじめる認知行動療法 第7話



 スプーンでコーヒーをかき混ぜながらミルクを注いで、グルグルと渦を描く液体をしばらく見つめていた。次第に液体が緩やかな動きになり、褐色のなかに溶けるように渦が消えた。

「どうしました?」

 いつの間にか放心していたようで、守口さんに声をかけられてはっとした。

「みのりちゃん、今も上司と上手くいってないみたいなんですよね」

 上司に業務のことについて何度 相談しようとしても冷たくあしらわれていることが、送られてきたメッセージに書かれていた。以前の感情的な文面ではなく、冷静で悲しい感情が伝わってくるものだった。

「関根さん、最近よくいらっしゃいます。上司さんについてはよく話されていますよ」

「そうだったんですか」

 守口さんにグチを言って少しでも気持ちが軽くなっていればいい。

「状況を変えるというのは自分の力だけでは難しいこともあるのです。認知を変えて気持ちを軽くすることはできるのですが……」

「そうなんですね」

 みのりちゃんは状況を変えたいはずだ。

「上手くいかないときは、他の選択肢を考えて改善するように努めていけばいいのですよ。断念せずに継続していくことが大切なのです」

 みのりちゃんのことを心配していたが、守口さんがいてくれたことにほっとした。そうなのだ。何かうまくいかない物事に遭遇したとき、それがすべてだと思って落ち込んでしまうけど、冷静になれば別の方法を見つけることができるのだ。


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REVIEWS

評価

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良いと思うところ

おお~、新機軸ですね!面白くなってる…と思います。

店長の不機嫌にも理由があったと…それが次回語られる…最後の切り方も、興味をもたせて上手いですね!

今まで「敵役」だった店長が味方に回り、本社の人間が新たな敵役として登場しました…

「ホームコメディ」ぽい話の方が、私は読み易いですから店長もファミリーの一員のような感じの方がいいですね…(今まではバイトの子たちとみのりちゃんと守口さんと…あまり「ファミリー」とは言えなかった…)

良くないと思うところ

ちょっとだけ長くて、気だるい…(必ず書かなければいけない感じなので、無理やり書いているだけですが…)

かおり
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評価

12344

良いと思うところ

面白かったです^ ^
余韻みたいなものが残る、店長の本心、本性が気になる終わり方…(^^)

どんな人でも表と裏は必ずあるけれど、(仕事の、自分の)体裁や立場を考えるだけでなくて、素直に行動したい、変われるものならたいのかわりたいと思うはずだから、、、(店長の)このタイミング、良かったです。

佳歩ちゃんが考えてる時とかの間は、いつもらしくて、いじらしいくて愛おしい(o^^o)

佳歩ちゃんと取り巻く人も皆、認知療法が支えとなり自分に葛藤しながら成長していく、この先が楽しみです。

良くないと思うところ

男女ともに同じくらい共感するような話になればさらにいいかなぁと思ってます。(女性目線側のウエイトが高い感じに思えるので)

Shiho☆
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