仕事幸福真理―成功と幸福の秘密を知ったアイドル

真理―成功と幸福の秘密を知ったアイドル 第3話

 (ていうか、どうしてこっち側⁉)

 ファミリーレストランの4人掛けのソファ席で、片側の席にだけ3人座っているという奇妙な状況になっている。

 山Pはそのことには一切触れず、私をにらみつけて言った。

 「桃瀬くんの魅力に昇天しとる場合じゃなかろうが! 今、大事な話をしてくれておるというのに!」

 すると桃瀬さんが割って入って言った。

 「だめだよ、山P」

 桃瀬さんの甘い声は続く。

 「みんなが『仕事』に対する間違った考えを持ってしまう大きな理由の一つは、『仕事の楽しみを教えてくれる人がいない』からだよ。楽しみ方も教えてもらってないのにいきなり仕事をさせられるのは、歌詞も振り付けも教えてもらってないアイドルが、突然たくさんの観客の前に放り出されるようなものだからね」

 桃瀬さんはそう言って私にウィンクしてから続けた。

 「でも、本当は、そんなことはどうでもよくてさ。僕は単に、山Pの怒っている顔じゃなくて笑ってる顔が見たいんだ。だって、そっちの方が全然、可愛いから」

 そして桃瀬さんは山Pの頭をぽんぽん、と軽く叩いた。

 (そ、そんな馴れ馴れしい感じで大丈夫なの⁉)

 桃瀬さんの行動に不安になったが、山Pは、

 「はい……」

 とうなずいて顔を赤らめた。

 (あんたも即効で昇天してんじゃねえか!)

 よっぽど口に出して言ってやろうかと思ったけど、桃瀬さんが「まりりん」と私の名を呼んだので、あわてて笑顔に戻し、振り向いた。

 桃瀬さんは、店内を歩く一人の女性スタッフを指して言った。

 「あの人を見てごらん」

 桃瀬さんの視線の先にいたのは、30代後半くらいのホールスタッフの女性だった。胸のプレートには田沢とある。

 「まりりんは、あの人を見て、どう思う?」

 そう言われてしばらくの間、田沢さんを観察したけど、どこにでもいそうな普通の人にしか見えない。

 「何か、感じない?」

 桃瀬さんにそう言われ、ぐっと目を凝らして見た。でも、どれだけ集中してみても彼女の何が注目に値するのか分からなかった。

 桃瀬さんの期待に応えられないのが悲しくて焦っていると、桃瀬さんはいたずらな笑みを浮かべて言った。

 「じゃあ、もっと見れるようにしてあげる」

 そして、シャツの胸元に掛けてあったサングラスを手に取って私の顔にかけた。

 すると、

 (え――)

 私は目に映った光景に驚いて言葉を失ってしまった。

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REVIEWS

評価

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良いと思うところ

水野敬也様!こんにちは!
作品の良いと思う点を書くにあたって、
ノン!は、こう!水野敬也様の作品を読み続けているから、書ける見たいな、的を得た、水野敬也様の心に響くような感想を述べたかったのですが、ノン!の感想は、とにかくワクワクして、楽しかったし、続きが早く読みたいです!しか思い浮かびませんでした(笑)

良くないと思うところ

良いと思う点が、そんな感じなので、悪いと思う点は、全く無いのですが、ただ、この作品の感想とは、関係ないのですが、せっかく個性豊かな作家の人達が、タメランドには、集まっているので、1つのテーマを、1話は、水野敬也様!2話は、また別の方!
見たいな感じで、作家から作家にバトンタッチしていく作品も読んで見たいです!

2018年1月17日 15時20分 退会済みユーザー
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コメントの評価

 著者からの返事

ご感想ありがとうございます!引き続きよろしくお願いします!他の作家たちにもコメントいただけるとすごくうれしいです!

2018年1月18日 8時15分 水野敬也
水野敬也
評価

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良いと思うところ

一話からの真里ちゃんの細かな心理描写は、あっぱれ面白くo(^▽^)oくすくす笑っちゃいます。先生の最もなワザ満載で(笑)知的ウケもし、さすがだなぁと。読み進めていくうちに、仕事についてシリアスで、流儀を改めて考えさせられました。組織の中にいるとどうしても仕向けられて、忙しい日々に流されて意欲、意思もボヤけてそのまま過ぎていく感がありますが、要所要所でハッと思わされ勇気づけられる言葉に、改めてモチベーションを上げていこうと生気に満ちてる仕事をして行きたいなと思いました。山Pがどのような試練を克服してきたのかも含め、イケメンズの真里ちゃんへのいい影響、これからの展開が楽しみです!^ ^

良くないと思うところ

悪いなんておこがましいのです、が老女とイマドキの女子高生の差を強調させるべく、年配の特徴を可笑しくオーバーに書かれていると勝手に思い込んでるのですが、1話の老女の唾のくだりは少しだけ卑下っぽく感じました。老人役割語⁈でもワシとか女性っぽくない言葉遣いも少し気になりました。(おじいさんと誤解しそうです)

2018年1月18日 5時7分 Shiho☆
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 著者からの返事

感想ありがとうございます。第3話は周囲の評判も良いのですが、今後の内容で3話で感じる新鮮さや面白さが保てるかどうか気にしながら頑張っていきたいと思います!また感想いただけたらうれしいです。よろしくお願いします!

2018年1月20日 13時0分 水野敬也
水野敬也
評価

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良いと思うところ

第2話で「時給の罠」にハマることで、なぜいけないのかが(色々起きる出来事は書いてあったけど)いまいちピンとこなくて。
でも、第3話のー愛から離れたことで起きる『副作用』なんだよー
というその一言が、すごくわかりやすく。頭と心にスッと入りました◎

良くないと思うところ

この回は、1番わかりやすいし。おもしろいし。言うことない!と、思ったんですけど。
突然色んな場所に現れる。山Pは、まりりんだけに見えてるのか。みんなに見えてる設定なのか。それとも、時と場合によるのか(笑)それだけ、ちょっと気になりました。

2018年1月19日 15時55分 takamin
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 著者からの返事

感想ありがとうございます。確かに、真理(16歳)の世界は仮想世界なのですがここの描きかたは大事にした方が良いですね。山Pが他の人に見えている場合のリアクションも書き加える可能性があります。ありがとうございます!

2018年1月20日 12時58分 水野敬也
水野敬也
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